2016年6月

6月の読書メーター
読んだ本の数:25
読んだページ数:6064
ナイス数:UN


深い河 (講談社文庫)深い河 (講談社文庫)
読了日:6月1日 著者:遠藤周作
小学校社会科の教科書で、政治の基礎知識をいっきに身につける―これだけは知っておきたい70のポイント小学校社会科の教科書で、政治の基礎知識をいっきに身につける―これだけは知っておきたい70のポイント
読了日:6月3日 著者:佐藤優,井戸まさえ
友情について (岩波文庫)友情について (岩波文庫)感想
『老年について』と同時に借りて先に読み始めたが、冒頭の献辞にて両作品の関係を知り、後回しにしていた本。どちらも読みやすいが、『老年』の方がより順序立って理路整然としていたように感じる。本書で語られる真の「友情」は非常に美しく理想的なものだが、それゆえ、お前の友情は偽物だと言われているようで寂しくもあった。
読了日:6月3日 著者:キケロー
ハリー・ポッターと賢者の石(携帯版)ハリー・ポッターと賢者の石(携帯版)感想
小学校の頃に夢中になった「ハリポタ」。当時集めたグッズなどは殆ど処分してしまったが、友人たちと熱く語ったり、映画撮影地を巡ったりした思い出はまだ色褪せていない。数年のブランクはあったもののやはり読書が好きな自分の原点はここにあると思う。 ページの余白に、幼い自分がスネイプの論理パズルを解こうとした形跡があるのが微笑ましい。
読了日:6月4日 著者:J・K・ローリング
自殺について 他四篇 (岩波文庫)自殺について 他四篇 (岩波文庫)感想
『自殺について』とあるが自殺論はごく一部に留まり、より広くショーペンハウアーの死生観が綴られた本。『読書について』から入ったので彼の哲学らしい哲学に触れたのは初めてで、かなり厭世(生)的なのに驚かされた。「我々は我々の誕生の償いを、第一には生きることによって、第二には死ぬことによって、なしているのである」(70)……「誕生の償い」は衝撃的な言葉だった。彼はキリスト教について散々言っておきながら、原罪思想はこの考えに沿っているとする。自分とショーペンハウアーが見ている「キリスト教」は違うものらしい。
読了日:6月6日 著者:ショウペンハウエル
図書館「超」活用術 最高の「知的空間」で、本物の思考力を身につける図書館「超」活用術 最高の「知的空間」で、本物の思考力を身につける感想
活用術としては特に目新しい内容はなかったが、レファレンスサービスや有料データベースの無償提供などは実際に利用したことがないので、機会があれば躊躇わずに使ってみたいと思った。 また、図書館の数がここ10年で約15%も増加したというのは驚きだ。活字離れや予算不足が叫ばれ始めて久しいので、てっきり書店同様に減少傾向にあるものだと思っていた。
読了日:6月7日 著者:奥野宣之
やんごとなき読者やんごとなき読者
読了日:6月8日 著者:アランベネット
声に出して読みたい 小中学生にもわかる日本国憲法声に出して読みたい 小中学生にもわかる日本国憲法感想
挿絵のヨシタケ氏のファンなので。「小中学生にもわかる」とあるが、小学生による実際の条文の音読とは、素読のようなものが想定されているのだろうか……。解説はあるものの「基本的人権」や「安保条約」などといった用語の明確な説明はなく、復習にはなれど、小中学生が実際に本書で憲法を学ぶのは難しいのではないかと思う。イラストはたまらなくかわいい。
読了日:6月8日 著者:齋藤孝
子どもの読書いまこれから (新日本新書 (456))子どもの読書いまこれから (新日本新書 (456))感想
『兎の眼』という本に対する子どもの感想は、「うさぎのような優しいきれいな眼」「無言の抵抗の眼」「差別のカーテンで覆われた眼」とばらばらであった。それが本来の読書であるはずだ。しかし我々はどうしても、あるものを見ると唯一の意味づけをしたくなってしまう。ある文学作品の解説書で研究者の解釈を読み、「本当はそういう意味だったのか!さすが専門の先生は違うなあ」と感銘を受け、まるで最初に持った自分の感想を上書きされてしまったかのように、以後その説にとらわれてしまうことは決して珍しくない。読書まで権威主義になりがちだ。
読了日:6月10日 著者:広瀬恒子
わが死生観―人間、どう生きるかわが死生観―人間、どう生きるか感想
セネカの文章そのものに加え、この翻訳は特に章題や小見出しのつけ方も相まって、自己啓発の新刊棚に並んでいてもさほどの違和感を覚えないほど、現代日本を生きる我々の現実に即している。歴史を勉強している時には、人間のあり方や思考方法は時代とところ、それに付随するその人の立場によって随分違うものだなあと思わされるが、一方で本書を読んだ時などには、人間は2千年も前から変わらないのだなあと正反対の驚きに出会うのだ。
読了日:6月13日 著者:セネカ
なんでもわかるキリスト教大事典 (朝日文庫)なんでもわかるキリスト教大事典 (朝日文庫)感想
一月かけて通読。無論、教派も人間が集まって成る共同体であり、同一の教派、地域、教会の中でも多様な信仰と気質を持つ人々が混在しているのだろう。そのことは念頭に置かねばならないが、各教派の教義の特色と信徒の全体的な傾向が適度な詳しさで概説されている本書は非常に面白かった。その教派ゆかりの文学や映画も紹介されているので、単なる解説に留まらず、少し興味を持った読者への道案内としての役割も果たしていてとてもよい。
読了日:6月13日 著者:八木谷涼子
帰ってきたヒトラー 上帰ってきたヒトラー 上感想
映画化するらしいという話とともに知人に紹介されて出会った。実際に原作を読み始めたのと、映画の公開とがちょうど重なったこともあってか、久々に小さなマイブームの波を感じている。これまでアウシュビッツを始めとする20世紀の悲劇について学ぶことはあれど、ヒトラー自身について調べてみようと思ったことはなかった。ナチスに関しても恐ろしいイメージはあれど、実際には殆ど何も知らないに等しい。本作のお陰で積極的に勉強できそうな予感がする。
読了日:6月13日 著者:ティムールヴェルメシュ
トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇 (岩波文庫)トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇 (岩波文庫)感想
表題作『人はなんで生きるか』と『愛のあるところに神あり』が特に好きだ。これまで読んできた本の中でも一際「説教くさい」のがトルストイの民話集だが、それにも関わらずなのか、むしろそうであるがゆえなのか、一際美しく、一際心を打ち、心を温めてくれるように感じる。多くの人に愛読され続けている理由がとてもよくわかる。 しかし、この種の本が現代日本で書かれたとして、果たしてどれほどの消費者の興味を引くだろうか。これほどストレートに「説教くさい本」が書店のランキングに載る様は想像し難く、それを残念に思う。
読了日:6月14日 著者:トルストイ
お目出たき人 (新潮文庫)お目出たき人 (新潮文庫)感想
再々読。前向きな思案と後ろ向きな思案との間を行ったり来たりする主人公は、外から眺めていると焦ったく滑稽に写るが、そう感じる我々も常に同じように振る舞っているのだろう。解説で阿川佐和子氏が痛烈に絶賛(?)しているこのグダグダ精神・ウジウジ描写の縮図が、繰り返し現れる道の選択に迷う描写なのかもしれない。
読了日:6月14日 著者:武者小路実篤
アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)
読了日:6月14日 著者:パウロコエーリョ
読書案内―世界文学 (岩波文庫)読書案内―世界文学 (岩波文庫)
読了日:6月17日 著者:サマセット・モーム
新宿で85年、本を売るということ (メディアファクトリー新書)新宿で85年、本を売るということ (メディアファクトリー新書)感想
多くの客がなんとなく抱いている「紀伊國屋本店ならどんな本でも手に入る」という気持ち、私も身に覚えがある。確かに「どんな本でも」は必ずしも事実ではないかもしれない。しかし、その共通認識の存在によってこそ、多くの本が本店に惹きつけられ、本店はますます「どんな本でも手に入る」書店に近づいてきた。その基盤には客、書店、取次、出版社に属する人と人の関わり合いが必ず存在する。リアル書店の良さは本や棚を見て本を選べるという「人と本」の関係に留まらない。「人と人」の関係は、文字列のみ介するネットでは味わえないものだろう。
読了日:6月17日 著者:永江朗
西の魔女が死んだ (新潮文庫)西の魔女が死んだ (新潮文庫)
読了日:6月19日 著者:梨木香歩
共産主婦―東側諸国のレトロ家庭用品と女性たちの一日 (共産趣味インターナショナル)共産主婦―東側諸国のレトロ家庭用品と女性たちの一日 (共産趣味インターナショナル)
読了日:6月20日 著者:イスクラ
ヒトラーという男―史上最大のデマゴーグ (講談社選書メチエ)ヒトラーという男―史上最大のデマゴーグ (講談社選書メチエ)
読了日:6月20日 著者:ハラルトシュテファン
帰ってきたヒトラー 下帰ってきたヒトラー 下感想
先日映画を観たが、原作からの変更点も含めて非常に良くできていた。特に、作品を楽しんでいた自分自身の姿にゾッとするあの後味の悪さは、映画版でより強調されたもののように思う。つまりこの作品は、現代の政治家や世界情勢をヒトラーを介して風刺するだけでなく、それを面白がって読み、気づけば「帰ってきた」ヒトラーに魅力を感じている我々にも、鋭い眼差しを向けるのである。 「あれは風刺なんかじゃない。ヒトラーが昔に言ったことを、そのまま繰り返しているだけだ。人々がそれを聞いて笑っているのも、昔と同じだって」(144)
読了日:6月21日 著者:ティムールヴェルメシュ
帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫 ウ 7-1)帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫 ウ 7-1)感想
文庫で再読中。単行本にはなかった脚注がついていて驚いた。ヒトラー周辺人物の解説などは非常にありがたい。時折、ジョークを言った本人がその面白さを説明するようなばつの悪さを感じないこともないが。 ヒトラーの最初の演説の意味を理解するにはまだまだかかりそうだ。
読了日:6月24日 著者:ティムール・ヴェルメシュ
動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)感想
岩波訳は初読。本書で『動物農場』を知った人は、以降この作品とソ連を直結させて考えてしまうだろう。付録も解説も、ソビエトスターリンの話題ばかりだからだ。しかしながら、それはあくまで執筆背景であって、作品の目指すところではなかったのではないだろうか。左派も右派もなく、人間が社会を形成する限り、このようなことはいつどこでも起こり得、実際に起きている。この作品は人間への普遍的な警告であると思う。
読了日:6月25日 著者:ジョージオーウェル
トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇 (岩波文庫)トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇 (岩波文庫)感想
再読。前回はあまり気に入らなかった『火を粗末にするとー消せなくなる』が今回初めて響いた。『ろうそく』は難しい。
読了日:6月26日 著者:トルストイ
怒りについて 他二篇 (岩波文庫)怒りについて 他二篇 (岩波文庫)感想
怒りの発生には必ず理性の同意が伴う、というくだりが興味深かった。萌芽の段階では理性のゴーサインを受けて出発したものが、その理性を遥かに凌ぐ大きさに膨れ上がって自らの操縦権を奪い取ってしまう。それが「怒り」だという。つまり、想像を絶するほどの激しい怒りに突き動かされたのだとしても、人は決してその責任から逃れることはできないということだろう。 セネカに魅力を感じるのは、ひょっとするとまだ形而上学をやるほどは鍛えの足りない私にとって、人間の一般的な態度に視点を置いた彼の著作が親しみやすいからかもしれない。
読了日:6月28日 著者:セネカ