2016年02月

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2016年2月の読書メーター
読んだ本の数:24冊
読んだページ数:5702ページ
ナイス数:65ナイス

新装版 ムーミン谷の夏まつり (講談社文庫)新装版 ムーミン谷の夏まつり (講談社文庫)感想
ムーミン谷の夏まつり』という喜劇の中で、悲劇が上演されるはずだったのだが、ムーミン谷の面々が集まった途端に劇中劇まで喜劇になってしまった。今作もすべての人の幸福のうちに物語が閉じる。「ムーミントロールは、そういってわらいました。べつに、おかしいことがあったからではありません。とてもとてもしあわせに感じたから、ただわらったのでした」(235)いつのまにか、このように素直に幸せを教えてくれる作品に触れる機会が減っていた気がする。
読了日:2月6日 著者:トーベ・ヤンソン
友情 (新潮文庫)友情 (新潮文庫)感想
再読。昔読んだ時には退屈だった記憶があるが、今回はなかなか面白く読めた。漱石の『こころ』を彷彿とさせる物語だが(或いは大正の『イニシエーション・ラブ』?)、終着点は大きく異なり、失恋した側の人間もそれによって大きく成長していく未来を予想させる。解説によると武者小路は漱石から多大な影響を受けているそうなので、この繋がりを辿って次は『それから』を読みたいと思う。それにしても、書簡の公開の場に選ばれるのが同人雑誌とは、何とおおらかな(?)時代なのだろう。
読了日:2月6日 著者:武者小路実篤
真の開発とは―人間不在の開発から人間尊重の発展へ《ペトロ文庫》 (ペトロ文庫 19)真の開発とは―人間不在の開発から人間尊重の発展へ《ペトロ文庫》 (ペトロ文庫 19)
読了日:2月8日 著者:教皇ヨハネ・パウロ二世
リアル公務員リアル公務員感想
面白かったが、本書が何を伝えたくて書かれたのか、考え込んでしまう。「知ってほしい」という気持ちと同時に、現状打破には極めて後ろ向きな姿勢も見受けられ、この読後のほのかなやるせなさは役所の新人が感じるものに似てはいないだろうかと思った。 巻末の対談で「メディアがワイドショー化している…取り上げられるのは政策ではなく政局ばかり」「今行政のことを知るためには、読みにくい役所の文章か、本質の伝わらないワイドショー的ニュースかしかないのが現状」(176)と指摘されているのが印象に残った。
読了日:2月12日 著者:町田智弥
坊っちゃん (新潮文庫)坊っちゃん (新潮文庫)感想
恥ずかしながら『こころ』以外の漱石を通読したのは初めて。同作のみで出来ていた漱石作品のイメージを大きく変える、明るく愉快な物語だった。主人公はものの善悪と向き合うとき、大局を見て(時に打算的に)行動することをせず、直感的に判断して即行動に移してしまう。解説には「勧善懲悪」とあるが、少なくとも私の個人的な道徳観によれば彼の最終的な行いは善いとは言い切れない。この点で『こころ』の作者らしさを感じた。しかし、彼自身の視点から一人称を用いて書かれることで、本作は勧善懲悪の物語となり、読者に爽快感を与えるのである。
読了日:2月12日 著者:夏目漱石
古代への情熱―シュリーマン自伝 (岩波文庫)古代への情熱―シュリーマン自伝 (岩波文庫)感想
まさに解説で指摘されている通り、シュリーマンの語学習得には目を見張った。彼は努力の天才で、その習得法は凡人には到底真似しがたいものかもしれない。しかし彼の本格的な学習が20代から始まったものであることは、「語学で最も重要なのは幼少期」という通説に納得しがちな我々にとっても、希望の光となり得ると思う。
読了日:2月12日 著者:ハインリヒシュリーマン
人は「話し方」で9割変わる (リュウ・ブックス―アステ新書)人は「話し方」で9割変わる (リュウ・ブックス―アステ新書)感想
タイトルには「話し方」とあるが、それよりも根本的で大切なのが「相手を見ること」なのだろう。相手が何を求め、何を避けたがっているのか?相手は心底自分に興味がないのか、実は機会を窺っている口下手な人なのか? 相手よりも先に自分自身を見てしまうと、相手の言葉を頭ごなしに否定したり自分ばかりが話したり、頓珍漢なリアクションをしたり、といった事態を招いてしまう。何かしてもらうのを待たず、自ら率先して相手に歩み寄るべきという点は、会話のみならず人間関係全般と共通している。会話は人間関係の入口であり縮図でもあるのだ。
読了日:2月13日 著者:福田健
14歳からの哲学 考えるための教科書14歳からの哲学 考えるための教科書
読了日:2月14日 著者:池田晶子
世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく
読了日:2月14日 著者:渡辺健介
レバレッジ・リーディングレバレッジ・リーディング感想
私のしている読書は本田氏のものとは目的も性格も異なるので、その点は割り切って読んだ。基本的には古典を中心にじっくりと読んでいくつもりだ。しかし、感じたことや印象に残ったことを本に書き込んでおいて後々まとめ直すという「読書後のフォロー」に関する章には、実に反省させられた。今は折るか付箋を貼るかして読了後に抜き書きをしているが、確かに読み進めているうちに次々忘れている。書きながら読むのは面倒ではあるが、その読書を実りあるものにするために必要な手間かもしれない。
読了日:2月14日 著者:本田直之
17歳からのドラッカー17歳からのドラッカー
読了日:2月15日 著者:中野明
バカの壁 (新潮新書)バカの壁 (新潮新書)感想
「最近はケシカラン」という論調はそこそこ好みなので、前半は面白かった。特に「共通了解」と「個性」を同時に要求する矛盾のくだりは読んでいて痛快だった。しかし、半ばに突然現れる無神論や終盤の一神教批判にはまったく賛同できず、それによって本書の他の記述にも嫌気がさしてきた。また途中から「バカの壁」とは何だったか忘れそうになった。
読了日:2月16日 著者:養老孟司
それから (新潮文庫)それから (新潮文庫)感想
前半は読み進めるのが苦痛気味だったが、中盤から面白くなってきた。「僕は貴方に何処までも復讐して貰いたいのです。それが本望なのです。…僕はこれで社会的に罪を犯したも同じ事です。然し僕はそう生れて来た人間なのだから、罪を犯す方が、僕には自然なのです」(283)この言葉からは『こころ』の先生の面影が感じられた。『それから』と『こころ』は点対称のような関係にあると思う。 無知ゆえに『三四郎』を飛ばして本作に手をつけるという無作法を犯したが、このまま『門』に進むつもりだ。
読了日:2月19日 著者:夏目漱石
カンガルー日和 (講談社文庫)カンガルー日和 (講談社文庫)感想
初・村上春樹。きっとこの作品には想像力の足らぬ者には計り知れない意味があるのだろう、と思いながらも、同時に本当に意味があるのかと頭を抱えたくもなった。文学作品を読むにあたって、作者から絶対唯一の「意味」が提供されるなどありえないということは百も承知だが、本書の収録作品はどれも掴むと逃げる煙のようだった。これは「難解」と形容されるものとは一線を画すると思う。分からないなりに好きな作品は『あしか祭り』『とんがり焼の盛衰』『図書館奇譚』。
読了日:2月19日 著者:村上春樹
「普通がいい」という病~「自分を取りもどす」10講 (講談社現代新書)「普通がいい」という病~「自分を取りもどす」10講 (講談社現代新書)感想
タイトルはいかにも新書だが、内容は読者に安らぎを与える非常に質の良いものだと思う。第一講にある「病的な安定」「健康な不安定」を理解せず、病的に「安定」を求めることで、より精神的疲弊に追い詰められていた人も多いだろう。また、キリスト教の原罪について、個人的には神に代わって善悪を裁くという分不相応な智慧を得た(善悪の智慧の実)と考えているのだが、泉谷氏の「二元論の獲得」という説も興味深かった。 かなり気に入ったので繰り返し読むことになると思う。
読了日:2月21日 著者:泉谷閑示
メノン (岩波文庫)メノン (岩波文庫)感想
「思わく」「知識」「知」の区別がうまくつけられず混乱した。「徳は教えられるのか」という本書の主題に関しては、解説の「真の知であるような徳こそが、唯一のほんとうの徳である。そして…他に教えることのできるものである。しかし現実には、そのような真の徳=知をそなえた人は、これまで存在しなかった」(158)という解釈に同意する。二千年以上が経った今も「真の徳をそなえた人」は存在しないかもしれないが、神というのは「真の徳」をそなえ、かつ教えることのできる存在だと思う。
読了日:2月21日 著者:プラトン
イギリス人のユーモア―日本人には思いつかないイギリス人のユーモア―日本人には思いつかない感想
イギリス人のシニカルな言葉は、外から眺めている分にはとても魅力的だ。あまりきつい冗談は言わない日本人の国民性が好きだが、口汚く罵るよりは批判をもジョークに昇華させるイギリス人のスタイルもよいかもしれない。 森首相のWho are you?がさも事実のように掲載されていたり、「第一七章マーク(マルコ福音書のこと)」という謎の訳語が使われていたりと、首を傾げたくなるところもあった。
読了日:2月22日 著者:北村元
そうだったのか!日本現代史 (集英社文庫)そうだったのか!日本現代史 (集英社文庫)感想
数ある池上氏の著作にいわゆる「ハズレ」を感じたことはないが、中でも『そうだったのか!』シリーズは濃密な内容が丁寧に纏められていて特に優れていると思う。 テーマ毎に章立てされているため時間は行ったり来たりするが、そこは池上氏の流石の力量で読みやすい。また、各章扉のイラストがチクリと風刺的かつ可愛らしい。最終章まで読んだら、本を閉じる前に第一章を読み返すのが望ましいと感じた。
読了日:2月26日 著者:池上彰
パンセ (中公文庫)パンセ (中公文庫)感想
ひと月以上かけて全断章に目を通したので読了登録。本書ほど拾い読みに適した書物もそうそうないだろう。これからも時折手に取るつもりだ。
読了日:2月26日 著者:パスカル
余計な一言 (新潮新書)余計な一言 (新潮新書)感想
耳が痛い話ばかりだが、特に「いつも出てくる『私』」の改善は急務だ。ところで齋藤氏は「ちょっとした一言が許せないという風潮が行き過ぎることは問題だ…とことん責め立てるという過剰な攻撃衝動が募り、不寛容な態度が蔓延して、世の中が窮屈になっている」(65)「誰かが最初に『悪い』と決めつければ、何万人もの人がすぐにそれに同調する。…『悪くなかった』ことが報道でわかると、今度は掌を返したように、同情したり褒め称えたり」する(199)、と指摘する。この指摘に同調する私自身も、その風潮の一部に違いないのが恐ろしい。
読了日:2月26日 著者:齋藤孝
一冊の手帳で夢は必ずかなう - なりたい自分になるシンプルな方法一冊の手帳で夢は必ずかなう - なりたい自分になるシンプルな方法感想
最近よく「目標をハッキリさせる」という言葉を見かける。まさに「夢がなければ夢をかなえることはできない」と書かれている通りで、至極当然のことなのに忘れがちだった。これも何かの縁と、とりあえず手帳に書き込んだ。熊谷氏の体系的な手帳術はなかなか真似できないが、この「とりあえず書く」習慣はすぐに取り入れようと思う。
読了日:2月26日 著者:熊谷正寿
お目出たき人 (新潮文庫)お目出たき人 (新潮文庫)感想
表題作に加え、主人公「自分」が書いたとされる文章も幾つか収録されている。中でも最後のものは傑作で、タイトルを見落としていたために椅子からずり落ちるところだった。 本作に興味を持ったのは、先日読んだ夏目漱石『それから』と本作の繋がりを指摘する解説を目にしたからなのだが、実際に読み始めて驚いた。「自分」は面倒臭く鬱陶しいストーカー気質で、そこが読者を感動させ、かつ滑稽さで笑わせるところでもあるのだが、残念なことに、私は間違いなく「自分」と同じタイプだ!
読了日:2月27日 著者:武者小路実篤
読書について 他二篇 (岩波文庫)読書について 他二篇 (岩波文庫)
読了日:2月28日 著者:ショウペンハウエル
池上彰の新聞勉強術池上彰の新聞勉強術感想
池上氏の著作の中で、知識を分け与えてくれるものはいくつか読んできたが、その知識を得た方法について書かれた本を読むのは初めてだと思う。終始「勉強になるからこうするべきだ」ではなく「こんなにも面白いんですよ」というトーンなので、興味を引き立てられた。池上氏には本当に憧れる。
読了日:2月29日 著者:池上彰

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