2015年12月

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2015年12月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2064ページ
ナイス数:29ナイス

夜と霧 新版夜と霧 新版感想
「意味」を見いだすことがいかに重要か、思い知らされた。生きる意味、苦しむ意味、耐える意味などを見失えば、人々は抜け殻と化していく。特に自殺を考える仲間に対して、本人の内部が無理なら外部から生きる意味を探し、待っているであろう家族や仕事の存在を訴えるところが印象的だった。外部に「意味」を見出し、それに縋って生き延びた者は、もしそのものが既に失われてしまっていたとしたら、いかほどの喪失感に悩まされるのか……。我々も気軽に「意味ない」と言う前に、「意味がない」ことの恐ろしさを心に留める必要がある。
読了日:12月12日 著者:ヴィクトール・E・フランクル
新装版 スヌーピーたちの聖書のはなし (講談社の実用BOOK)新装版 スヌーピーたちの聖書のはなし (講談社の実用BOOK)感想
スヌーピーが聖書的な要素を含んだ作品だったとは。スヌーピームーミンなど日本で人気のある海外出身のキャラクターたちは、その作品自体に当たってみると教訓や風刺がピリリと効いていることが多く、単なるイラストから想像していた性格との違いにも驚かされる。
読了日:12月12日 著者:ロバート.L・ショート
同時代を生きた偉人たちが国境越えて大激論!開催!世界史サミット同時代を生きた偉人たちが国境越えて大激論!開催!世界史サミット感想
入門書と言うよりも、世界史をある程度網羅的に勉強したことのある人が娯楽として読む本のような気がする。右も左も分からない人は面白く感じられないかもしれないが、一度覚えたが忘れてしまった私のような読者にはもってこいで、内容を思い出しながら新たに時代ごとの繋がりを知ることができる面白い本だった。登場人物たちは冗談を交えてまったりと雑談しているので、「サミット」「大激論」よりは座談会の雰囲気を感じた。ワタシャ・ダメダナが傑作。
読了日:12月14日 著者:浅野典夫
スノークのおじょうさんの名言集スノークのおじょうさんの名言集感想
名言というよりも、スノークのおじょうさんというキャラクターをよく表している場面を抜き出したような雰囲気。
読了日:12月24日 著者:トーベ・ヤンソン
ある巡礼者の物語 (岩波文庫)ある巡礼者の物語 (岩波文庫)感想
客観的な伝記の形式になっているので本書の方が読みやすい筈なのだが、『霊操』の方が面白く読み進めることができた。理由は分かっている。そのような目的で書かれた書ではないと知りながらも、まるで自らの人生を誇って自慢しているかのように感じてしまうからだ。自分の心の汚さを暴き戒められたような心地で読了した。
読了日:12月25日 著者:イグナチオデ・ロヨラ
残像に口紅を (中公文庫)残像に口紅を (中公文庫)感想
小説の文面に使える音が減っていくだけでなく、物語内でも名前が失われて形容されなくなったものは消失するという発想が面白い。ある人が「確かに草の名称を知っていても実益は少ないが、道端に生える様々な植物を一括りに『雑草』と捉えている人と、それぞれの名称を知っている人とでは、生への感謝が違う」と仰っていたのを思い出す。親しみをはじめとする人の万物への働きかけは、名を知ることから始まるのだろう。指で「これ」と示すことのできない文章の世界では尚更だ。 語彙の貧弱さから本作の登場人物のように言葉に詰まる自分が情けない。
読了日:12月26日 著者:筒井康隆
図説 地図とあらすじでわかる! イエス (青春新書INTELLIGENCE)図説 地図とあらすじでわかる! イエス (青春新書INTELLIGENCE)感想
エス及びキリスト教にまつわる基本的な事柄について網羅的に概説しており、手軽で優れた入門書である。地図も都度掲載されており、いちいちページを捲る必要がないので読みやすかった。巻末に全体を見渡せる地図があればより便利だったと思う。
読了日:12月28日 著者:船本弘毅
バチカン―ローマ法王庁は、いま (岩波新書)バチカン―ローマ法王庁は、いま (岩波新書)感想
ファッション誌のコラムにでも載っていそうな語り口で読みやすい。ヨハネパウロ二世の病、逝去とその後を継ぐ新教皇に関わる人々のざわめきが特に興味深かった。現教皇フランシスコ(ベルゴリオ枢機卿)の当選は青天の霹靂だったと聞いていたので、彼がラッツィンガー枢機卿と一騎打ちになったという説には驚かされた。
読了日:12月29日 著者:郷富佐子
新装版 たのしいムーミン一家 (講談社文庫)新装版 たのしいムーミン一家 (講談社文庫)感想
飛行おにの魔法を受けて、ムーミンの心からスナフキンが旅立ってしまった悲しみが消え去り、「また会える日をまちうける心」に変わった場面がとても良かった。常にそういう受け止め方をできる人になりたいものだ。ごちそうのたっぷり乗ったテーブルが降ってきたとき、当のスナフキンはどのような反応をしたのだろう。 本作で最も衝撃的だったのは、彼らがラジオのような人間くさい電子機器を持っているばかりか、それが「アメリカ」からの電波を拾うことである。
読了日:12月30日 著者:トーベ・ヤンソン

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