2015年8月

読書メーター
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2015年8月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:5334ページ
ナイス数:73ナイス

主よ、一緒にお泊まりください主よ、一緒にお泊まりください
読了日:8月4日 著者:教皇ヨハネ・パウロ二世
すべての人に心を開く (1980年)すべての人に心を開く (1980年)感想
まるで詩集のように頻繁に改行が入れてあるためか、あたたかな言葉の数々を一文一文味わいながら読めた。若者に向けた「あなた方はひとりだけではないでしょう。すべてのものたちがあなた方の味方となるでしょう。あなた方を愛し祝福する教皇もまた、あなた方の味方となるでしょう」というメッセージが特に心に残った。時折、訳に少し違和感を感じる箇所もある。
読了日:8月4日 著者:教皇ヨハネ・パウロ二世
肩ごしの恋人 (集英社文庫)肩ごしの恋人 (集英社文庫)感想
解説にある通り、確かに淡々としている。他の作者なら力を入れてドラマティックに展開させるような場面が、数行であっさりと片付けられていることも多く、テンポを掴めずに度々面食らった。ドラマ版の演出の方が好みかもしれない。
読了日:8月4日 著者:唯川恵
日本人のための「集団的自衛権」入門 (新潮新書 558)日本人のための「集団的自衛権」入門 (新潮新書 558)感想
TVで聞きかじっただけの知識で賛否を語るなど以ての外、という反省とともに読んだ。整理されていて読みやすかった。「概念の遊びをしたところで、日本の安全にもつながりません(135)」本当におっしゃる通りだ。ところで、日常レベルにまで落とした例え話は一長一短だと思う。イメージを伝えやすい一方で、正確さに欠ける。指定席券を持っていても、すでに「新幹線には乗らない」という先約があるなら、その座席にも座れない。指定席の例えは、「権利はあるが行使できない」状態を非難するには弱い気がした。
読了日:8月6日 著者:石破茂
ソクラテス以前以後 (岩波文庫)ソクラテス以前以後 (岩波文庫)感想
イオニア自然学、ソクラテスプラトンアリストテレスの4本立て。ソクラテスを中心にしながら、思想の変遷を辿っていく構成が面白かった。特に気に入ったのはアリストテレスの章。彼が神と神を希求する万物について明確に説明すればするほど、神の姿は「支え手である神」から遠ざかっていく。ギリシア哲学(頭脳からの要求)とキリスト教(心からの要求)の神理解を「対立」ではなく「互いに補い合うもの」とする本書は、両者の関係性についての新しい見方を示してくれた。
読了日:8月7日 著者:F.M.コーンフォード
やんごとなき読者やんごとなき読者感想
面白かった!淡々とした文体の中にシニカルなジョークが綺麗に織り込まれているのがオシャレ。知識(情報)を得る目的で本を読むのも勿論、悪くない。けれど時には「目的」や「効率」「勉強」を一度脇に置いて、「読みたい!」と感じた本を素直に読む時間を持つことも、自らの喜びのために大切だと改めて感じた。そんなわけで、私も数多の積読本を差し置いてこの本を手に取ってしまったことを嬉しく思う。
読了日:8月8日 著者:アランベネット
ニジンスキーの手記 完全版ニジンスキーの手記 完全版感想
1ページを読むのにここまで疲弊する本は久々だ。しかしこの手記は支離滅裂なようで、一貫性がある気がする。例えば「知性」と「感情」、「考える」ことと「感じる」ことの対立は幾度となく言及されている。「私は彼らにデッサンを何枚か見せた。感じてもらいたかったのだが、私は彼らが考えているのだということを感じた。だから彼らのことは諦め、心で泣いた」(294)きっとニジンスキーはこの手記についても、読者に「感じて」欲しいのだろう。私を含め、この本に頭を抱える読者の多くは、彼に言わせれば理性的ではないのかもしれない。
読了日:8月10日 著者:ヴァーツラフ・ニジンスキー
いま生きる「資本論」いま生きる「資本論」感想
佐藤氏の語りは読んでいて面白かったが、勉強と理解力の不足から、講座の目的である『資本論』の読み解きには至れなかった。いくつか紹介される講座参加者が提出したレポートのレベルの高さもあって、何かと自信を喪失させられる(笑)と共に、学習意欲を刺激される一冊だった。佐藤氏の著作では多くの本が紹介されるので、「いつか読みたい本」がどんどん増えていくのが困りものだ。
読了日:8月18日 著者:佐藤優
エリザベート―愛と死の輪舞(ロンド) (角川文庫)エリザベート―愛と死の輪舞(ロンド) (角川文庫)感想
個人的な作品解釈の補完というよりも、新たな解釈を提供されたような気がする。私はこの劇そのものが「毎晩毎晩」繰り返されているのだと考えていたため、長い裁判に終止符を打つための劇だったのかと驚いた。とにかく、二つの日本版エリザベートを知らない人が読んだら度肝を抜かれるだろう。折角のノベライズ、歌詞の引用でない台詞ももう少し読んでみたかった。
読了日:8月18日 著者:小池修一郎
甘い蜜の部屋 (ちくま文庫)甘い蜜の部屋 (ちくま文庫)感想
数ページで既に満腹になっているにも関わらず、ページを捲るのをやめられなかった。作者の紡ぐ文章に人を惹きつけてやまない魔性があるからこそ、彼女が描いたモイラにもこのような魅力があるのかもしれない。この類の小説は全く未経験だったので、読み終えた今も衝撃に打ちのめされている。
読了日:8月20日 著者:森茉莉
ハムレット (新潮文庫)ハムレット (新潮文庫)感想
恥ずかしながら、シェイクスピアをまともに読むのは初めてだった。はじめは登場人物の把握に苦労し、頻繁に人物一覧と本編を行ったり来たりしていたのだが、慣れてからは脳裏に舞台が立ち上がり、読み進めるごとに演劇が展開されているかのように感じた。また、性格描写の整合性よりも場面毎の劇的効果を重視することを説いた『シェイクスピア劇の演出』も興味深かった。シェイクスピア作品にはギリシアを扱ったものも多いようなので、是非読んでみたい。
読了日:8月20日 著者:ウィリアムシェイクスピア
ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)感想
内容はほとんど忘れていたが、一応再読。初読当時はキリスト教知識が皆無だったので、主にスリリングな展開を楽しんでいたのだと思う。今回は基礎知識をかじってから挑んだためか、主人公のウンチクや謎解きの内容も大変興味深く感じられた。
読了日:8月21日 著者:ダン・ブラウン
ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)感想
ティービングが語っている間、今にも敵が動くのではないかとハラハラし、追い立てられるように一気に読んだ。これまでの暗号は私には難題過ぎたが、古代文字の文章だけはラングドンよりも先に読めたのが嬉しかった(笑)
読了日:8月21日 著者:ダン・ブラウン
ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)感想
最後の最後まで気が抜けない、抜かせない、飽きさせない巧みな構成で、ぐいぐいと引き込まれるまま一日で全編を読み通した。一晩置こうとしても、続きが気になって眠れなかっただろう。上巻、中巻では、明かされる新事実に感心してもぽんと手を打つに留めていたのだが、下巻には思わず声を上げたくなるような場面がいくつかあった。映画版と『天使と悪魔』、巻末に紹介されている参考書にも興味が湧いた。
読了日:8月21日 著者:ダン・ブラウン
すべらない敬語 (新潮新書)すべらない敬語 (新潮新書)感想
軽快な語り口で楽しく読めた。敬語は手段であって目的ではない。重要なのは、教科書的な「正しい敬語」を闇雲に覚えて使うことではない。言葉遣いをはじめ、表情、動作、外見、立場や状況などあらゆる要素を駆使して、相手に良い印象を持たれることである。確かに正しい敬語を使えるに越したことはないが、敬語さえ正しければ好印象、タメ口ならば悪印象を与えるという訳では必ずしもないことを、身近な例えで再確認した。
読了日:8月24日 著者:梶原しげる
走れメロス・おしゃれ童子 (集英社文庫)走れメロス・おしゃれ童子 (集英社文庫)感想
太宰中期の短編集。後期作品に慣れた目には新鮮なほどに、他者との結びつきが重視され希望の光を当てられている。『葉桜と魔笛』『新樹の言葉』は特に良かった。太宰の解釈による『カチカチ山』はなるほどリアリティーがある。読みながら、人間版と動物版が両方ともイメージできた。ところで、解説に「『燈篭』は(略)読んだあと味が一番いい」とあるが、個人的には『燈籠』こそが、一番モヤモヤを提供してくれた作品である。
読了日:8月25日 著者:太宰治
老人と海 (新潮文庫)老人と海 (新潮文庫)感想
再読。場面転換や劇的な事件がほとんど起こらないにも関わらず、途中で飽きなかったことに、我ながら驚いた。読者に退屈を感じさせないのは、緻密で想像力を掻き立てる描写のなせる業だろう。
読了日:8月26日 著者:ヘミングウェイ
イヴの七人の娘たちイヴの七人の娘たち感想
基礎知識にも丁寧な説明があり、理系アレルギー持ちでも入り込めた。本書の主題である研究の内容そのものも興味深いのだが、サイクスという研究者の自伝としても非常に面白い。科学研究と言えば白衣に試験管に顕微鏡にラット、などという漠然としたイメージしか持っていなかったのが、本書を通して、彼らの行う研究がいかにワクワクに満ちた知的な大冒険であるかを知った。困難の末、ついに自説が認められたくだりでは、思わず涙が出そうになったほど。時間はかかったが読んでよかった。
読了日:8月28日 著者:ブライアンサイクス
冒険者たち―ガンバと15ひきの仲間 (岩波少年文庫 (044))冒険者たち―ガンバと15ひきの仲間 (岩波少年文庫 (044))感想
長い月日を経て再読。アニメは未見なので、挿絵にある写実的な動物たち、特に美しく妖しいノロイの姿が、活き活きと思い出された。読み返して、暴力による戦いの描写が思っていたよりもずっと短いことに驚いた。この物語のクライマックスは確かにイタチとの戦いだが、主題はあくまでも「冒険」「仲間」である、ということの表れなのだろう。本書を「児童文学」と呼んで大人たちから遠ざけてしまうのは勿体無いが、かといって呼ばずに子供たちから遠ざけるのも本末顛倒……と、何やら歯痒い想いである。
読了日:8月30日 著者:斎藤惇夫
日本の中でイスラム教を信じる日本の中でイスラム教を信じる感想
イスラーム教徒」と一括りにせず、一人ひとりの個を見てみれば、信仰のかたちも、それに対する想いも皆違う。当然のようで、普段は意識していないことだった。本書に言及されている通り、未知の文化に歩み寄ろうとする姿勢は広まりを見せている。少しの勇気を持って一歩踏み出せる人に私もなりたい。
読了日:8月31日 著者:佐藤兼永